惜別賦
夜が更けた。みしみしと音を立てながら、宵闇が濃くなっていく。
一つの灯りを共にして、いざ、酌み交わそうではないか。宵越しの酒を。
晩風はからからと乾いた枝を揺らしている。
枝の其処此処に、生命の兆しがふくふくと静かに育っている。
君が旅立つというのなら、私は待っていよう。
歳経た古木のように、この地にしっかりと根を張って。
君が戦うというのなら、私は祈っていよう。
いついかなる時も、君が道迷うことのないようにと。
嗚呼、せめて梅の香が裾野を覆うまで、君と共に在りたかった。
こうなれば、煌煌と上る日が恨めしく、欠けながら沈む月が怨めしい。
雪は解け、今はその流れる音ばかりが耳に残る。
ともに声を張り上げて、歌った日を忘れないでくれ。
木登りを競ったこと、手習いで叱られたこと、互いの頬を殴りあったこと、
書を枕にして眠った夜を。
どうか許してくれ。
万感の思い告げられず、いたずらに杯を重ねるだけの私を。
酔いは進み、今は君の笑声ばかりが耳に残る。
君の笑声と、奥底の歔欷の声が、私を慰める。
一つの灯りを共にして、いざ、酌み交わそうではないか。宵越しの酒を。
晩風はからからと乾いた枝を揺らしている。
枝の其処此処に、生命の兆しがふくふくと静かに育っている。
君が旅立つというのなら、私は待っていよう。
歳経た古木のように、この地にしっかりと根を張って。
君が戦うというのなら、私は祈っていよう。
いついかなる時も、君が道迷うことのないようにと。
嗚呼、せめて梅の香が裾野を覆うまで、君と共に在りたかった。
こうなれば、煌煌と上る日が恨めしく、欠けながら沈む月が怨めしい。
雪は解け、今はその流れる音ばかりが耳に残る。
ともに声を張り上げて、歌った日を忘れないでくれ。
木登りを競ったこと、手習いで叱られたこと、互いの頬を殴りあったこと、
書を枕にして眠った夜を。
どうか許してくれ。
万感の思い告げられず、いたずらに杯を重ねるだけの私を。
酔いは進み、今は君の笑声ばかりが耳に残る。
君の笑声と、奥底の歔欷の声が、私を慰める。
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