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希望が語っていうことには

どうか希望をさしあげたい
こんな人生と嘆くのは
ひどく辛いことだろうから

嘆き、思い悩むのは
希望を求める証だと思うから
そう思うのは私が世の汚さを知らないからですか

自己否定の言葉を探すのは簡単で
自己肯定の言葉はいくら検索しても出てこない

自己否定は周りからどくどくと湧いて出るのに
自己肯定は自分の中から生まれないのだとしたら
あぁ、それは
悩みを呟きながら生きてきた私にできることは
一度口をつぐんで
希望を謳うことではないですか

ねえ、掛け値なしの愛はたぶんひとりひとりに眠っていて
きっと私たちの微笑みが誰かを癒すことがありますよ
だから嘆かないで
希望の囁きはうんと小さくても
どうか嘆きを止めて耳を澄まして

それは必ずあなたの中から生まれてきます
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理由

無性に弱いままでいたい
いつも柔らかさは
内に隠しているから

外側は乾いて
中途半端に硬くなっている
でも切り裂けば簡単に
淡い肉色が
滴る何かにまみれて覗くだろう

だからわたしは
その弱さを
剥きだしのままでありたいと、
願う
すぐに傷ついて
喉元が絞られるように痛んでも
まぶたが燃えるように腫れあがっても
聞くに堪えない悲鳴が
漏れだしても

弱さだけがわたしの
正直ないのちを
証立てている、きっと
わたしの弱さだけが
わずか残された白い部分であると
きっと、
きっと、

私は此処にいる
わたしは呼吸をしている
ここで叫んでいる
生きて、
とにかく生きています、と

時折り無性に弱いままでいたい
自分の裸を思い出すように

風花、咲く

青空がのぞく冬の朝
森の中に
雪が降っている

太陽にゆるりと
あたためられ
凍てつく樹皮から離れ
終着点へと
身を投げだす
雪片が、
静かに、

白い樺が
碧くひかっている
美しい木々

朝がくる
雪が舞う

詩情の目覚め

マニキュアを塗った。
ベージュのそれを、
ひと差し指を机の上に伸ばして。
振りかえると、
月が覗き込んでいた。

マニキュアをぬった。
とう明なピンク色。
人さしゆびの小さなつめからはみ出したそれが、
かわいたボンドみたいにはりついた。

指をまげたりのばしたりしながら外にでた。
風はつめたかった。
つめの先がぴかぴかと光っていた。
「あぁ、爪の先にお月様が」
だれかのこえが聞こえた気がした。

電気を消してみた。
ベージュが乾いた人差し指でリモコンを押す。
部屋は真っ暗だった。
爪も同様に。
苦笑と落胆と、
そして再び白熱灯が目覚める刹那、
爪の先に月が灯ったのを見た。

「あぁ、        」

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うそつき

本当の気持ちなど
本当の願いなど
言葉にできるはずもないのだ